真空吸着パッド
真空吸着力を計算し、適切な真空吸着パッドを選ぶには?

真空吸着力を計算し、適切な真空吸着パッドを選ぶには?

自動化された生産ラインでは、その利便性から産業用吸盤の使用が一般的になっています。

真空吸着パッド吸着力の計算方法

基本式はf = p × aあり、吸盤の吸着力を次のように定義します。

  • F:保持力(吸盤の真空力)
  • P:圧力(真空度)
  • A:接触面積(吸盤の表面積)

この式は、「圧力=力÷面積(p=f÷a)」圧力の定義から導かれます。


真空吸着力の仕組み:f = p × a の解説

重力と摩擦は、真空吸着が可能になる主な力です。

吸盤はワークの表面と密着し、密閉空間を形成します。


パッド保持力の計算

理論上、保持力の計算には以下の要素が影響します。

  • 対象物の材質(鋼、ガラス、木材など)
  • 表面特性(滑らか、均一、粗い、または油分を含む)
  • 寸法
  • 質量(m)※長さ・幅・高さ・密度から計算
  • システムの加速度(m/s²)。
  • 重力加速度(9.81 m/s²)

質量、保持力、破壊力の計算は、適切な吸盤を設計するための第一歩です。


保持力の計算における他の要素

保持力の式に加えて、以下も考慮が必要です。

  • 摩擦係数(μ):ワークと吸盤の間の接触面の滑り抵抗を示します。
  • 安全係数(S):作業中の事故防止のために加味される係数です。

真空吸着パッドの安全係数(S)

安全係数はワーク表面の状態や吸盤の設置位置によって調整されます。

  • 最小値1.5:滑らかで密着性の高い表面
  • 1.5~2.0:吸盤が水平に設置され、垂直方向に荷重がかかる場合
  • 最低2.0:表面が粗い、または材料が多孔質の場合
  • 油分のある表面や垂直設置、回転動作を伴う場合:安全係数は2.0以上が必要です。

このような精密な計算を行うことで、安全性と効率を両立させた吸盤選定が可能になります。


摩擦係数(μ)

摩擦力は真空吸着力の計算において非常に重要な要素であり、接触面での滑り抵抗を示します。

  • 油分のある表面:μ = 0.1
  • 湿った表面:μ = 0.2~0.3
  • 一般的な素材(例:金属、木材、石、ガラス):μ = 0.5
  • 粗い表面:μ = 0.6

荷重のケーススタディ

吸着力の計算においては、グリッパーの位置や動きの方向性に応じて、3つのケースを想定することが推奨されます。


ケース1:水平な吸盤、力の方向が垂直

これは最もシンプルなケースで、吸盤が対象物の上面に水平に設置され、上方向に動作するだけの状態です。

F = m × (g + a) × S

  • m:対象物の質量
  • g:重力加速度(9.81 m/s²)
  • a:システム加速度
  • S:安全係数

例:

m = 0.314 kg、a = 5 m/s²、S = 1.5

f = 0.314 × (9.81 + 5) × 1.5 = 6.97551 ≒7 n


ケース2:垂直な吸盤、力の方向も垂直

吸盤がワークの側面(垂直面)に設置され、ワークが上下に移動するケースです。

F = (m / μ) × (g + a) × S

  • μ:摩擦係数
  • その他の項目は前述と同様

例:

m = 0.314 kg、a = 5 m/s²、μ = 0.1、S = 2

f = (0.314 / 0.1) × (9.81 + 5) × 2 =93.0068 ≒ 93 n


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